SPEED POP

アルバム『SPEED POP』について

『SPEED POP』は、日本のロックバンドであるGLAYのメジャーデビューアルバムで、1995年3月1日にプラチナム・レコードから発売されました。その後、2001年と2003年にそれぞれエクスタシーレコードおよび東芝EMIから再発行され、今も多くのファンに支持されています。

リリースの背景

本作は、当初1994年の秋に発売される予定でしたが、さまざまな事情により半年以上の延期を経てリリースされました。収録曲には、インディーズ時代から演奏されていた「LOVE SLAVE」や「JUNK ART」、さらには「ずっと2人で…」や「RAIN」といった、北海道を拠点に活動していた頃の楽曲が含まれています。このメジャーデビュー作について、TAKUROは「バンドでできることが増えた」と語り、メンバーにいない楽器も取り入れる余裕が生まれたことを強調しました。

アルバムタイトルの由来

アルバムタイトル『SPEED POP』は、1993年に制作されたデモテープと同名で、TAKUROはこのタイトルに特別な思いを抱いていました。彼は、「GLAYだからこそ、様々なジャンルの音楽が自由に融合できる」と語り、アルバム全体のコンセプトを表しています。音楽的には、ポップやバラード、アバンギャルドな要素も全て一つにまとめるニュアンスが込められています。

アルバムの特色と評価

本アルバムは、当時のドラマーNOBUMASAが在籍中にリリースされた唯一のフルアルバムですが、彼がレコーディングに関与することはありませんでした。代わりに、AKIRAがいくつかのトラックでドラムを担当しています。貴重なライナーノーツを提供した音楽ライターの市川清師は、TAKUROの要望で解説を依頼されました。初回プレス盤には曲名の表記ミスがあったものの、その後の販売でも多く売り上げを記録し、最終的には32万枚を売り上げました。

CDジャーナルによると、本作は「驚くほどキャッチーで、生き生きしたメロディ・ラインが新鮮」と好評を得ています。また、「楽曲のバリエーションと完成度」が高いことが評価されており、特にミディアムバラードにおけるバンドの息抜きがしっかりと形になっているとされています。アルバム全体としては、タイトル通りの“SPEED POP”を具現化しており、メンバーは今後の自由な音楽性の基盤となることを期待しています。

収録曲について

このアルバムには、全12曲が収められています。オープニングは、佐久間正英によるインストゥルメンタル「SPEED POP (Introduction)」から始まり、続いて「HAPPY SWING」や「彼女の“Modern…”」など、多彩な楽曲が順に展開されていきます。特筆すべきは、インディーズで鍛え上げた力が存分に発揮された「JUNK ART」や、シングルカットされた「ずっと2人で…」などで、GLAYの音楽的な深さを感じさせる内容となっています。ドラマティックな「RAIN」はデビューシングルとして人気を博し、映画『ヤマトタケル』の主題歌にも使用されました。

まとめ

『SPEED POP』は、GLAYの音楽的冒険のスタート地点となる作品であり、その後のキャリアにおいても重要な位置を占めています。メロディの美しさと多様なジャンルを融合させたこの名盤は、今なお多くのファンに愛され続けています。GLAY自身の成長と挑戦が詰まったこのアルバムを通じて、彼らの音楽がどのように進化していったのかを知ることができます。

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